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IBDをウンチから早期発見

という論文を発表しましたー!まだプレプリントの状態ですが、peer review journalの方も概ねOKなので間も無くアクセプトされると思います!

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.02.24.432648v1

これはIBD(炎症性腸疾患)を自然発症する遺伝子改変マウスを使った研究成果で、ウンチの中にあるエクソソームという小胞の中にあるマイクロRNAという遺伝物質が、症状の進んだマウスはもちろん、発症する最大6週間前のマウスでも異常が見られたというものです。この6週前、というのが重要で、これは人間だと数年に相当するでしょう。見た目に下痢したり体重が減ったりしてからではなく、無症状であるこの期間中にウンチの健康診断で炎症が検出されていれば、早めの治療そして病気の予防が可能かもしれない。私はこの結果を猫のIBDに応用しようと立ち上がりました!

というのも私、先代猫のバンバンがこの病気になり、飼い主としてこの病気と向き合い、苦悩した実体験があるのです。バンバンが発症したのは12歳、それからあれこれ治療をしながら6年間生き抜いて2012年に天寿を全うしましたが、IBDの診断から治療はもう長い長い終わりのない闘いで。基本的に除外診断で「もうあれこれ調べ切ったけどどれにも該当しないから多分IBDね」と診断されるのが基本、それまでに費やした時間とお金は相当な額におよび、特に獣医嫌いなバンバンには採血やらエコーやらでの度重なる外来訪問は苦痛以外の何物でもありませんでした(先生はとーってもよくしてくださったんですけどね:単にバンバンの性格の問題、、、汗)。確定診断を得るにも内視鏡などでの組織採取が必要で、バンバンは年齢なども考慮しこのオプションは避けたのですが、麻酔も今や安心して受けられるようになったのでしょうしペット保険も充実して来たんでしょうけど、やはりあの小さい体に与える負担を考えると躊躇してしまう飼い主さんも多いと思います。

で、ウンチの出番なのです!

IBDは腸の病気で、その症状の一つが下痢です。バンバンも下痢がとにかくひどかった。ウンチは健康な頃から毎日猫トイレのものを拾って掃除します。このウンチを時々検査して腸の炎症状態をモニターできれば、獣医に行く手間も省けるし、たとえ猫さんは無症状でピンピンしていても、水面下で進行中の炎症を早期に検出できるかもしれない

この研究を実行に移すために、私は自分の会社、非営利の研究所を作りました。

http://animalgenomeinstitute.org

地道に募金や自腹を切って費用を集めラボをセットアップ、バンバンの後継として迎えた猫、カップケーキ(2歳)のウンチを使って夜な夜な予備実験。上のマウス論文が出るのを待っていよいよ猫IBDのウンチバイオマーカー 研究を始動させます!

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アメリカ在住で、IBD(疑いも含む)猫さんを飼ってらっしゃる方、是非この研究にご協力いただけませんか?上のポスター&下の宣伝ビデオにもある通り、

  1. オンライン登録(メールでご連絡いただいたら登録フォームをお送りします)
  2. ウンチ返信用封筒を送付させていただきます
  3. 1回分のウンチ(5センチぐらい?)を封筒にいれて送り返していただくだけ!

の簡単3ステップになっていますー。健康猫さんのウンチも研究には必要ですが、今の所お友達周りで十分数集まって来たので、当面はIBD(疑い含む)猫さんのウンチのみを募集しています。

 

ご検討&拡散いただけますと嬉しいです!

 

どうぞよろしくお願いいたします。

宣伝ビデオにはバンバンにも登場してもらいました!会いたいなあ。。。